鍼灸 むちうち
今回は「むちうち」についてお話していこうと思います。
先日、知人が自動車で追突事故にあい「むちうち」になったので治療をして欲しいと連絡がありました。私も過去に三回ほど追突事故にあい「むちうち」になったことがあります。
「むちうち」正式には外傷性頸部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)あるいは頸部捻挫(けいぶねんざ)、頸部挫傷(けいぶざしょう)と呼びます。
個人的経験も踏まえてお話しすると、事故当初は体が緊張していて、あまり痛みを感じませんが時間と共に鈍痛を感じ始めます。この鈍痛が厄介で、痛みで動けないというわけではないのですが何とも首が重く不快です。また骨折などと違って外見は何も異常がなさそうに見えるので、周りの人には理解されづらいという面もあります。そうしたこともあり、心的ストレスから症状が悪化することもあります。
また個人的な経験ですが、事故後半年くらい経ってから痛みが再発することもあるようです。
このようにむちうちは時間と共にいろいろな症状が出ます。なので症状に合わせて施術も変わっていくべきです。
鍼灸はまさにむちうちの時間軸に合わせて様々な施術が可能です。事故直後の緊張や痛みの緩和はもちろん、慢性期には温灸なども有効です
また鍼灸はストレスの緩和に効果的なのでメンタルのケアも出来ます。痛みや緊張があると体は固くなり守ろうとします。す州ると不思議なもので、心も何時の間にか緊張し交感神経が高ぶったままになり、イライラや不安などの症状が出始めます。施術としては体の緊張を緩めることで精神も安定してきます。臨床的には、頸椎と胸椎の境目にある「大椎」胸椎第3第4番の間にある「心柱」など有効です。
このように精神の安定と身体の状態は切り離せないと考えるのが東洋医学の特徴です。
1回の施術で心と身体のケアを同時にできるというのは効率的ですよね?そういう意味では鍼灸施術は大変「コスパが良い」施術です。
追突事故にあった当時の私はまだ鍼灸を知りませんでした。その為長期にわたって症状に悩んだものです。事故当初から鍼灸を受けていたらあんなにつらい思いをしなくて済んだと考えます。
残念ながら鍼灸は自動車事故の保険対象にはなりませんが、週に一回程度の施術でも十分に効果が出ます。特に事故直後のケアはとても大切です。たんに症状を抑えるだけではなく、長引かせないためにも早めのケアを(もちろん時間がたってしまったかたも)お試しください。